山崎が発行している「紫陽花の箱庭」についてのお知らせです。

◆「紫陽花の箱庭」は2006年からサイトのメインコンテンツとして、2008年までサイトにて連載していたweb漫画です。パソコン破損のさいにデータを紛失し、もとになる紙媒体の漫画も残っていなかったことから、修復が困難となり、消えてしまったショックから、一から書き直して、形に残すため、同人誌の形をとって発行いたしました。

◆同人誌では全5巻発行していて完結済みです。当時、サイトでは第4巻まで公開しておりました。

お知らせとは、この紫陽花の箱庭を期間限定でサイト内で公開するということです。

「紫陽花の箱庭」はデータ紛失のさいに、誤って私がサイト上にアップしていた漫画も消してしまったことから、同人誌として発行して後はサイトでは公開しておりませんでした。
この「紫陽花の箱庭」についてはずっと悩んでいることがありました。
 「紫陽花の箱庭」は、その他の山崎の発行している同人誌と違って、もともとネット公開を前提に2年間連載していたweb漫画でした。ネット公開時、本当にたくさんの方に読んでいただき、感想をいただき、私のマンガを描く上で大きな影響をいただいた作品でした。ネットという広い環境の中でたくさんの方に読んでもらえ、本当に幸せでした。
それが、同人誌にしたことで、読んでくださる機会が失われたことが悩みでした。

◆同人誌になったことで、また、新しく読んでいただける機会も増えたのですが、
どうしても、発表の場の違いで、見ていてくださる方の数が減ったことは事実でした。
発行時は、まずはサイトに公開していたところまで追いつくこと(これに3年かかりました。)また完結させることを目標に書いていたのですが、続き物のお話がゆえに手に取りづらい状況が出来上がってしまっていてどうしても最終巻までたどり着いてくださる方の人数が減ってしまうことになりました。(一冊当たりのページ数が多く、値段が張ったのも事実です。)
正直、6年、この「紫陽花の箱庭」の漫画を描いていて、完結までたどり着いたとき、とても嬉しかったのですが、その完結までを読んでくださっている方があまりいないということに、とても落ち込みました。
読んでいただきたい一心で約400頁書き上げたので、同人誌という媒体として発行したことにも悩みました。
もう一度、サイト公開しようかと何度も考えたのですが、高い同人誌代を支払ってお買い上げくださっている方がいる中で、無料でサイトで公開することに抵抗があって、今まで踏み出すことができませんでした。

◆全巻お買い上げくださった方もいらっしゃいますので、とても悩んだのですが、
私が構想も含めて6年かけて描いたお話だったので、どうしても多くの方に読んでほしいという私のわがままで、サイトで期間限定で全話公開することに致しました。
9月から順次公開を始め、10月末日まで公開することといたします。
それ以後、サイトで公開することはありません。

◆すでに、「紫陽花の箱庭」の販売はほとんど通販のみになっており、イベントでの販売は次の関西コミティア(2012年10月)で最後になります。
理由としては、全5冊とかさばるので、スペースに置き場がないことと、残りの在庫数が少なくなっていたことです。
このお話は私の同人活動を始めたきっかけのお話でして、大変未熟な作品でしたが、とても思い入れのあるお話です。


私の身勝手なわがままで、お買い上げくださった方には、不愉快な思いをさせることになるかもしれません。
本当に申し訳ございません。
私は何を思って、この「紫陽花の箱庭」を描いたのだったっけ。と初心に帰って思い返したとき、それは多くの人に「紫陽花の箱庭」を読んでいただきたい思いからでした。
ずっと悩んだ結果、期間限定という形で公開するという選択をいたしました。
どうか、ご理解くだされば幸いに思います。



山崎零